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ボート実況体験記「選手と視聴者の架け橋を作る」今井悠貴(國學院大學)

この度ボート競技の全日本大学選手権大会の実況を担当させていただきました。私はボート競技の経験なし、そしてこのお話をいただくまでボート競技を観たこともなかった全くの素人。そんな本当に0からのスタートでしたが、結果としてボート競技の面白さにハマる一方でした。

最後まで何が起こるかわからないレースの緊迫した展開は勿論、選手のブログ等を拝見すると寮生活の中でマネージャーさんの作る美味しいご飯を全員で楽しそうに召し上がっている様子などが伺え、本番で発揮される強いチームワークは競技以外の部分からも生まれているということを理解できました。今回の大会をきっかけに、ボート競技の魅力をもっと多くの人に知っていただければ嬉しいですね。

試合当日は選手と同じくらい僕も緊張していたと思います。本格的に長時間スポーツの実況を担当することも初めてだったうえに、隣には日本代表の選手やコーチが解説者として座っています。頭の中はもう真っ白です。しかし、解説者の方が私の問いかけにも丁寧に答えて下さり、またディレクターさんをはじめ多くのスタッフさんのサポートがあったお陰で安心して実況に集中できました。ボート競技は一つのレースが終わるとすぐに次のレースが始まるため4時間ほぼノンストップで喋っていました。大変そうに聞こえるかもしれませんが、本当にあっという間に感じたんです。それだけボート競技を楽しみながら実況していた証拠ですかね。ただ、少し楽しみすぎたかなと反省しています。一番熱い場面でレースに見入ってしまい、言葉足らずだった部分がいくつかあったと思います。実況者であることを常に自覚し、次回はじっかりと情報や現場の雰囲気を届けられるように頑張ります。

今回実況をさせていただく中で特に私が意識したことは、選手のパーソナルな部分を引き出すこと。これは元フジテレビアナウンサーの田中大貴さんから教わったことです。プロスポーツでも勿論重なる部分はあると思いますが、学生スポーツの場合、同じ学校の学生や職員、故郷から見守る親族、OBOG、など多くの比較的身近な関係者が試合を観ています。だからこそ、選手の地元、出身校、学部など一見競技とは関係ない情報を織り交ぜることで、そういった方々により親近感をもって応援していただければ嬉しいなと考えていました。この気持ちを今後も忘れずに実況に挑戦し、「実況を通して選手と視聴者の架け橋になる」ことを目指していきたいです。

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